商品の説明
25年ほどに前に　中国南部貴州省で入手した、少数民族ミャオの古い刺繍（あるいは織り）小布です。
縁に残る黒の細い綿糸を経糸にし、横には金色に光る絹糸、やや黒い糸、それに白の絹糸を用い、白線で描くやや細長の六角モチーフが、横と縦に連続し布全体に広がります。6つの角に付された5㍉の横線が、上下、左右に六角モチーフを繋びつけています（11枚め）。
白い細長の六角モチーフでは、六角形内部に金色の菱形が置かれ、六角形と菱形の間の4スペースで、向かい合う2つをやや黒い糸が埋め、残り2つを金色の糸が埋めます。
　六角内の菱形では、中央に横線が伸び隣に繋がり、また、中央横線から上下に、短い経糸2針の太めと細めの線で小さな山を描き、山の下を黒い色と金色の経糸で埋め、六角モチーフを完成させます。
　六角と菱形モチーフが、ミャオの吉祥紋を指すかは不明ですが、日本の家紋や亀甲紋に見え、何か願いを込めたようです。
　裏側から、黒の横糸に金色、灰色、白色の3色の縦糸による刺繍（織り？）の様子がわかります。灰色、なかでも金色の経糸は、次のモチーフに移るときに、長めで数センチ先にまで経糸が伸び、途中で他の経糸に絡め、布から刺繍糸を浮かせない工夫がされています（13枚め）。
　布一面に六角紋が広がりますので、手刺繍による制作とは考にくく、逆に、ミシン織りで複雑な作業ができるとも思えず、小さな織り台を使用したと思われます。複雑で精緻なモチーフに驚くしかありません。
　もう1つの特徴は、布の上左で4分の1部分では、小布大半に描かれる細長六角モチーフ内の菱形に代わって、中央横線の上下に、横になった数字の3のようなモチーフが見られ、また、左最上部では横3モチーフが順に減り、菱形紋が増えています。
　細長六角に横3のモチーフは、尾から胴体が伸び、やや巻いた頭の蛇モチーフか鍵モチーフのように見えますが（8枚め）、ミャオの人々が示唆したものは不明です。布裏側からわかりますように、1枚の刺繍布で連続した糸を用い、途中からモチーフが切替されいます。
　刺繍織りか特殊織りの黒の横糸に3色の経糸で複雑なモチーフを描き、途中で紋様の一部を切り変えた本品は、中国南部のミャオが育んだ、伝統的な織物技術や凝縮させた思いを知るときに貴重なきっかけを与えてくれます。
サイズ：縦　約34㌢　横　約34㌢
商品の情報
カテゴリーハンドメイド・手芸 > 手芸素材・材料 > 刺繍道具・材料 > 刺繍布商品の状態やや傷や汚れあり発送元の地域東京都

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